あけマルくん開発ストーリー
今でこそ弊社の主力商品となった「あけマルくん」ですが、現在の形式に落ち着くまでは試行錯誤の連続でした。開発部が総力をあげて、来る日も来る日もテストを行い、やっと誕生したのが現在の「あけマルくん」なのです。
あけマルくん開発ストーリー
従来型の問題提起
従来、大根の同時マルチ・シーダー農法では、連続穴マルチシートを使用していました。しかしながら、連続穴マルチシートでは、種子の無い箇所にも穴が有るため、地温の保温性や遮光による雑草の抑制効果が充分とは言えませんでした。
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従来の同時マルチ・シーダー農法 |
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連続穴マルチシートの大根発芽状況 |
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問題解決するため試行錯誤の連続…
これらの問題を解決する新商品として、2000年に同時穴あけシーダーマルチャー「あけマルくん」の開発がスタートしました。従来の問題点を解決する為には、無孔マルチシートを使用して、種子が有る箇所のみ穴あけをする機構が必要となります。また、穴あけ時に開口片が分離する場合は、この開口片を回収する機構も必要となります。試行錯誤の末、2002年にプロト試験機が完成し、国内の大根主要産地でモニター試験を実施し、製品改良を行った結果、最も安価な無孔マルチシートを使用し、必要な箇所のみに穴あけし、しかも開口形状をコ字形状として端部をマルチシート内側に折込んで開口片の飛散を回避することで、環境に優しく、経済的で、理想的な同時マルチ・シーダー農法を確立しました。そして、2003年にトラクター用を、翌2004年に管理機用を商品化しました。
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トラクター用あけマルくん |
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管理機用あけマルくん |
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施工状況 |
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発芽状況 |
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「あけマルくん」へのこだわり
本製品に採用しているカッター刃は、カット性能や耐久性にこだわり、その材質は、刃物用材料として一般的な炭素工具鋼(SK)ではなく、高速度工具鋼(SKH)を採用しました。乳白色マルチシートは顔料として酸化チタンが含まれています。酸化チタンは非常に高い硬度を有するため、一般的な炭素工具鋼では、十分な耐久性を確保することが出来ません。従って、カッター刃の材料は、高価ではありますが高速度工具鋼を採用しております。
商品化当初は、施工速度をMAX1.5km/hとしましたが、お客様からの施工速度アップのご要望を受け、2011年にカット性能の高速化を図り、施工速度MAX2km/h対応モデルを市場投入し、現在に至っております。
今後も進化する「あけマルくん」
これまで累計約500台を販売し、適用作物については、大根やスイートコーンに加えて、近年では落花生でのご採用も増えてきております。また、従来の□60mm穴以外に、□40mm、□80mm穴対応のカット装置をオプション設定し、適用作物の拡大・推進も行っております。
これからも「日本農業の省力化に貢献」する同時穴あけシーダーマルチャー「あけマルくん」の改良・進化にまい進いたしますので、どうぞご期待ください。